2008年3月16日日曜日

<1日目の19>夜のオーバル棟 9:00PM


上層階のオーバル棟は、こんな感じ。(ちなみに写っている人物は母)池の周囲にあるドアは宿泊室のもの。ここにも6室の宿泊室があるが、先ほどのケーブルカーのことを考えるに、けっこう上級者(のんびりしたい人)向きだと思った。

このオーバル棟も、下のミュージアム棟も、そして食事をしたパーク棟やその近くにあるビーチ棟も、ベネッセハウスの全ての宿泊棟は安藤忠雄の設計で、それぞれに趣向が凝らされている。中でもこのオーバル棟は、非日常の空間の演出という意味で一番気合が入っているなぁと思うのである。

オーバル棟に泊まっていない人でも、ここにあるバーは使うことができる。せっかく来たので一杯飲んでいくことにした。バーの中にも当然アートが置かれているが、スタイリッシュというよりもアットホームな雰囲気。だが・・・あんまり長居したい感じの雰囲気じゃないのだ。何でだろうと思っていたら、家具には一家言ある母が言った。「せっかく素敵な場所なんだから、椅子やテーブルをもっとゴージャスにすればいいのに」

そういわれてみると、ここにあるテーブルや椅子は、パイン系の色のごくシンプルなものだった。すわり心地も、そう良いわけではない。せっかくここまで凝った場所にあるバーなのだから、もっとどっしりして離れがたいようなソファーを置いたり、あるいは思いっきりスタイリッシュにしてみてもいいと思うのだが。
バーにしては、「カフェ的」すぎるのかも。

母はフルーツ系のカクテル、私はサイドカーを頼んで一休みした後、ケーブルカーに乗って部屋へ戻ると、お部屋のテーブルの上に謎のギフトボックスが。何!?

「お夜食にお召し上がり下さい」・・・中には、おいなりさんが2つ。
おお~。これは夕食が早い人たちだったらとってもうれしいプレゼント。
だけど私たちはおなかいっぱいだったので、これは明日のお弁当にしよう、ということにした。

シャワーを浴びてベッドに横になる。
今日はよく歩いたし、お酒も入ったのであっという間に寝てしまった。

<1日目の18>ケーブルカーに乗る 8:30PM

のんびり美術館内を探索したあとは、別館のオーバル棟に行ってみることにした。ミュージアム棟の後方、山の上にある「オーバル」へは相当距離があるのだが、そこへどうやって行くかというと・・・

コレで行くのである。↓


しかもコレ、運転手なしの自動運転。
見た目のレトロ感もあいまってなかなか覚悟がいるが、もちろんここまで立派な施設であるからには安全対策も考えられているだろうと信じてチャレンジ。

ミュージアム棟の2Fにあるケーブルカー乗り場へのドアを開けると、あるのはケーブルカーを待つための椅子と、オーバル棟に行ってしまったケーブルカーを呼び戻すためのボタンのみ。
ボタンに近づくとモニターのスイッチが入って、オーバル棟側の駅の様子を確認できるようになっている。向こう側で乗り降りが完了していることを確認のうえボタンを押せば車両はこっちにやってくるので、5分間ほど待てば乗れる、という仕組みだ。(駅は外にあるのだが、寒くないように暖房など工夫されているらしかった)

モニターを覗く。ちょうど人が降りるところだったので、先客が完全に降りたことを確認してボタンを押す。・・・ケーブルカーは動かない。なんでやねん。あれこれ試行錯誤していると、上層の駅のほうにスタッフが出てきて、ケーブルカーのドアを閉めなおした。・・・なるほど、ドアが完全に閉まってないと動かない仕組みなのね。それにしても先客、ちゃんとドア閉めろよな!!

気を取り直して、やってきた車両に乗る。中は6人掛けで、斜面に合わせて斜めに2人ずつ三列座れるようになっている。こちらは母と二人なので、一番下の段に腰かけ、ドアを閉めてロックをかけ、発車ボタンを押す。ケーブルカーは静かに発車し、ゆっくり山を登っていった。

それにしてもこの感じ、何かを思い出す・・・そうだ、昔パリのモンマルトルの丘のケーブルカーで、発車直後に車両故障が発生して閉じ込められたときに似ているなぁ・・・と思っていたら、母も同じことを思っていたらしく、「大丈夫かねぇ~」と言葉を交わす。

山を登る5分間、車内を見渡すと、緊急用の設備らしきものは連絡用の携帯電話のみ。きっと何かあったときはこれで電話して助けに来てもらうってことなんだろう。一方ケーブルカーの上る斜面のほうはどんどん傾斜を増してきた。傾斜がきつくなると、ケーブルカーは自動的に座席の角度を変え乗客が快適になるように調整している。見た目によらず意外とハイテク?なのか??

そのうち陸が切れて海が見え、ここは朝来たらとても良い眺めだろうな、と思っているうちに上層階に到着。次に下で呼び出す人のために、しっかりドアを閉めてから(笑)、オーバル棟に入ってみる。