2008年3月5日水曜日

<1日目の8>後楽園にて

さて、岡山といえば、金沢の兼六園、水戸の偕楽園と並ぶ日本三名園の一つ、後楽園がある。

他の二箇所も行ったことがない私だが、いつかは全部回ってみたいと思っていたので、この機会に寄ってみた。

正直、冬の庭園というのはどんなものか・・・と思っていたが、そこは日本庭園、四季おりおりの美しさがきちんと考えられているものである。芝は枯れていても、既に花をつけている梅の色や水のきらめき、温む風に、まもなく本格的な春が訪れる予感がなんとなく感じられた。

あと感心したのは、この庭を造った池田の殿様の美意識の高さである。日本庭園の要素としては池や木々、草花の配置はもちろん石や建造物のセンスも大切だけれど、さすがに後楽園は「絵になる」場所に事欠かない。殿が名を残すためには、優秀な為政者であると同時に教養人でなくてはならないわけで、なかなか大変な商売である。

それにしても日本の美とは独特なものである。世界のどんな国にも似ていない、それでいてやはり美しいと感じさせる、不思議な美意識がそこにある。西洋との対比でいえば、なんとなく日本の美のほうが土のにおいがするというか、自然の中に溶け込んだ美であると思う。(しかし決して手がかかっていないわけではなく、十分に繊細な細工をした上でなおかつ自然に見せるという美学がそこにある)

そのあたりは、なんとなく食べ物とか、服とか、音楽とかにも現れているような気がしないでもない。

■写真解説

上:「花菖蒲池・八橋」。伊勢物語にちなんだデザインらしい。

中:「流店(りゅうてん)」。板張りの小上がりの中央にさわやかに水が流れていてなかなか小粋。お殿様の休憩所であり、接待などにも使われたそう。

下:「沢の池」から岡山城方向を望む。(お城、あんまり見えませんが。)

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